那須ICや黒磯板室ICから車でわずか約15分。
スーパーやドラッグストア、人気のカフェが並ぶ黒磯駅周辺から、数本の道を曲がると、そこに鳥野目河川公園オートキャンプ場が現れます。
「こんな町の近くに、本当に豊かな自然があるの?」
そう思われるかもしれません。
実際、東京、神奈川、千葉といった遠方からの利用者さんに限らず、近隣から訪れる多くの方が、このキャンプ場の「驚くべき自然の豊かさ」に目を奪われています。
園内に一歩足を踏み入れると、そこには水路や大きな池、池から流れ出す小川、湿地、芝生、草地、そして木々が連なる小さな林が複雑に入り組んでいます。
“住宅街や大型店舗から車でわずか数分の場所に、これほど多様な環境が共存している。”
——それこそが、鳥野目河川公園オートキャンプ場の特別な魅力です。
便利さと自然が、驚くほど近い距離で隣り合っているこの場所。
まずは、その不思議で魅力的な自然の世界を、少し覗いてみませんか?
キャンプ場の片隅に、木々が連なる小さな林があります。
ここでまず注目してほしいのが、足元の世界。
地面を覆う落ち葉や苔、背丈の低い草が生えた部分を林床(りんしょう)と言います。
この林床こそが、昆虫や小さな生き物たちの隠れ家であり、命の循環と生命の息吹を感じられる場所なのです。
林床から樹の幹へ、そして樹冠へと視線を移すと、生命の躍動がさらに見えてきます。特にこのキャンプ場は、「鳥野目」という名がつくほど、野鳥の観察が楽しい場所でもあります。林の中では、野鳥が葉の間を忙しなく飛び回り、さえずりが響き渡ります。
一方、木の幹や落ち葉の下では、昆虫たちが活発に活動しています。
夏になると、林は一斉にセミの大合唱に包まれます。種類によって鳴く時間帯も微妙に異なり、朝と夕方では違った「森のBGM」が楽しめます。
そして、コナラやクヌギの樹液が染み出す場所では、国蝶(こくちょう)であるオオムラサキが姿を見せることもあります。
オオムラサキは、日本国内でも最大級のチョウの一つで、オスの翅(はね)は見る角度によって鮮やかな紫青色に輝きます。主に里山の雑木林に生息し、夏の晴れた日には木々の間をゆったりと飛ぶ姿が見られます。その堂々とした姿は、多くの人を魅了し、里山の象徴として親しまれています。
林を抜けてキャンプサイトの芝のエリアに出ると、景色が開け、水辺の穏やかな広がりを感じられます。
池や湿地では、小さな水生昆虫や魚が泳ぎ回り、草地の間にはトンボが飛び交います。
林と草地、そして水辺。
これらがひとつなぎとなっている環境の多様性こそが、鳥野目河川公園オートキャンプ場の豊かさの秘密です。生き物たちの暮らしや食物連鎖など、さまざまな生態系のつながりを、目の前で感じることができます。
実は、こうした豊かな自然を「普通」や「当たり前」と感じてしまうのは、ここで暮らす私たちだからこそ、なのかもしれません。
多くの人が「町の中には、もうあまり自然は残っていないだろう」と思いがちな中で、鳥野目河川公園オートキャンプ場は、暮らしのすぐそばに残された、貴重で生態系豊かな場所です。
那須は自然に恵まれていますが、日々の生活では建物や道路が整備され、「あ、あんなお店できた、行ってみよう」と新しいものに目が向きやすくなります。その一方で、身近な自然の豊かさは、つい見過ごしてしまうこともあります。
けれど、ほんの少し目を向けてみるだけで、いつもの景色の中に生き物たちの営みが浮かび上がってきます。その営みは、この地域の自然環境の状態を映し出す、大切なサインでもあります。
たとえば、林で見かけるオオムラサキは、環境省レッドリストに掲載され、以前より生息数が減少している準絶滅危惧種です。また、水辺で見られる水生昆虫は、水質が良いことを教えてくれる存在であり、この環境がていねいに守られてきたからこそ出会える生き物たちです。
地元に暮らすからこそ味わえる、この身近な自然の豊かさがあります。
日々の忙しさを少しだけ横に置いて、この場所で紡がれている自然の物語を、一緒に感じてみませんか。
私たち、Nature Serviceは、令和7年(2025年)4月から指定管理を引き継ぎました。
この場所の豊かな自然は、偶然そこにあったわけではありません。
開発からこれまでの、長年の適切な管理と手入れの積み重ねによって、大切に育まれてきたものです。
長年の管理があったからこそ、今も多様な生き物たちが安心して暮らせる環境が保たれています。
私たちは、このキャンプ場を「利便性と自然の豊かさが共存し、誰もが気軽に自然に触れて笑顔になれる場所」にしたいと考えています。
この美しい環境を今の形で楽しめることに深く感謝し、日々の管理や観察を通して、この豊かな環境を次世代に繋げるために守り育てていくことが、私たちの使命です。
鳥野目河川公園オートキャンプ場は、便利な立地と奥深い自然が融合した、特別な場所です。
皆さんもほんの少し目を向けて観察してみるだけで、自然の豊かさや生き物たちのつながりを感じられるはずです。
たとえばこんな発見が待っています:
– 林床で動く小さな昆虫や、葉の間を飛び交う野鳥のさえずりに耳を澄ませるひととき
– 池の水面を舞うトンボや、水生昆虫・小魚が織りなす水辺の生命
– 運が良ければ、国蝶オオムラサキの優雅な舞を見られる瞬間
さあ、次の休日には家族や友人と一緒に、驚きと発見に満ちたこの自然の世界を体験しに来てみませんか?
キャンプサイトでテントを張りながら、あるいは散策路を歩きながら、日常では見逃しがちな生き物たちの営みを一緒に見つけましょう。
きっと、鳥野目河川公園オートキャンプ場でのキャンプ体験が、もっと豊かで思い出深いものになるはずです。
日々の暮らしに、新しい視点が加わりますように。